結論から言えば、ブラッシュを何層も重ねるという事実だけでニキビができると断定することはできない。ただし、肌トラブルが起こりやすい肌では、どのようなテクスチャーを重ねるのか、ツールが清潔か、就寝前にメイクを完全に落とすかがより重要になる。[1][2]
2026年9月22日のVogue World: Milanoでは、頬やこめかみ、目元まで赤系の色を重ねる「artful blush stacking」が主要なメイクルックとして紹介された。メイクアップアーティストのパット・マクグラスが手がけたルックで、ブラッシュを一か所に濃くのせるのではなく、顔の複数の部位に層をつくってつなげる方法だ。[1]

ブラッシュ・スタッキングは何が違う?
ブラッシュ・スタッキングは、クリーム・リキッド・パウダーブラッシュを一度に厚く塗るというより、色と質感を薄く何層も重ねる表現方法に近い。1つの製品だけを使ってもよく、異なるテクスチャーを重ねてもよい。重要なのは「何層か」よりも、肌に残る製品の総量とテクスチャーの性質だ。
ニキビ肌はブラッシュを避けるべき?
その必要はない。米国皮膚科学会(AAD)は、ニキビがあってもメイクはできると説明しており、製品を選ぶ際には「non-comedogenic」「oil-free」「won’t clog pores」のように、毛穴を詰まらせにくいことを示す表示を確認するよう勧めている。これらの表示は、誰にも肌トラブルが起こらないことを保証するものではないが、製品選びの実用的な基準になる。[2]
異なるテクスチャーを重ねるとき、まず何を確認すべき?
クリームやリキッドのように肌に密着するテクスチャーを先に薄く塗り、必要であればパウダーで色を補うほうが、厚く繰り返し塗るより調整しやすい。複数の新製品を同時に変えると、どの製品が刺激を引き起こしたのか見分けにくくなるため、トラブル肌では一度に1つずつ変えるほうが現実的だ。
ブラシとパフはどのくらいの頻度で洗うべき?
AADは、メイクアップブラシを7~10日ごとに洗うよう案内している。汚れたブラシには皮脂や製品の残留物、微生物が蓄積する可能性があり、ニキビだけでなく皮膚の発疹や感染のリスクを高めることがある。ブラッシュ・スタッキングのように、同じツールを肌と製品の間で何度も行き来させるメイクでは、ツールの衛生管理を特に見落としやすい。[3]
メイクを落とすときは、洗浄力が強いほどよい?
そうではない。メイクは就寝前に落とすことが重要だが、ニキビ肌だからといって強いスクラブや繰り返し洗顔をする必要はない。AADは、肌をやさしく洗い、こすらないよう勧めている。肌がつっぱり、赤くなるほどの洗浄は、かえって刺激を強める可能性がある。[2]
チークが毛穴を詰まらせるかどうか、どう判断すればよい?
第一の基準は製品表示だ。「non-comedogenic」または「won’t clog pores」の表示が役立つ。使用後、特定の部位にコメドや炎症性の肌トラブルが繰り返し現れる場合は、その製品の使用を中止し、変化を観察するほうがよい。[2]
クリームブラッシュよりパウダーブラッシュのほうが、ニキビ肌には安全?
テクスチャーだけで安全性を断定することはできない。同じクリームやパウダーでも成分や使用感は異なり、肌の状態や塗る量も影響する。肌が敏感なら、香りが強い製品や刺激を感じた製品を避け、少量から確認する。
肌トラブルが出ている日もブラッシュを塗ってよい?
軽いニキビであれば、刺激を与えずにメイクできる場合もあるが、皮膚が剥けていたり、浸出液が出ていたり、痛みが強い病変の上には、メイクで覆うより肌を休ませ、必要に応じて受診するほうがよい。
DERME VERDICT
2026年秋のブラッシュ・スタッキングの核心は、色を重ねる技術であり、肌を厚く覆うことではない。ニキビ肌なら、ノンコメドジェニックの表示を確認し、ツールを週1回程度洗浄し、就寝前にやさしくメイクを落とすことの3つを優先したい。トレンドを諦めるより、肌が耐えられる量とテクスチャーを見つけるほうが実用的だ。
出典
[1] Vogue・Renaissance Beauty at Vogue World: Milano・2026-09-22
[2] American Academy of Dermatology・How to apply makeup to acne-prone skin・確認 2026-09-29
[3] American Academy of Dermatology・How to clean your makeup brushes・確認 2026-09-29

